2022-01-01から1年間の記事一覧

未刊の小夜

多分、俺の中に脈々と眠るサディストとしての片鱗をマゾヒストの彼女は見抜いていたのかも知れない。 確かに俺はまだ低学年の頃から、幼馴染みだった彼女に対して遠慮や手加減をする事がなかったんだ。 とは言っても、喧嘩をして興奮の余りに殴る蹴る等の暴…

無言電話

こんな夜中に鳴る独特な着メロに俺は憂鬱になった。 そう、それは、 俺は一分間躊躇った。 囁く様な「ごめんね」の後は何も聴こえて来ない無言電話。 ひたすら耳に当てているだけのスマホは彼女の「ただ、繋がっているだけで安心できるの」と言われた存在確…